平成17年度NPO活動費補助金成果報告会概要

日時・場所
日時:平成18年4月15日(土) 午後2時30分から午後4時30分
場所:千葉労働者福祉センター
概要
<成果報告> 午後2時30分から午後3時57分
 平成17年度NPO活動費補助金事業の種別B:新たな活動展開支援の交付を受けた7団体が、事業成果の発表を行いました。
 各団体は8分間で発表を行い、各発表について審査委員の宮島委員と影山委員から2分程度の講評を行いました。
 
  各団体の発表資料、委員講評はこちら
 
<委員長総評> 午後3時57分から午後4時10分
 すべての団体の発表が終了した後、今回の補助事業の発表全体について、審査委員長から総評がありました。
 総評では、各団体の発表の傾向から、NPOが事業を進める上での要点として、人材・資金・ネットワーク・組織運営・専門性・場の確保の6点からのアドバイスがありました。
 また、全体的には、非常に前向きな発表であること、発表内容をまとめると、「いのちの豊かさを育む」というテーマに括れること、そして、今回の補助事業の成果を活かし、新たな地域づくりの「希望」に向けて発展する契機としていただきたいとの言葉がありました。

  委員長総評の詳細はこちら
 
<補助金申請のポイント> 午後4時10分から午後4時20分
 最後に、平成18年度新規の「NPOパワーアップ補助金」の申請のポイントについて、今回の成果を発展させる、新たに取り組みに活用できること(種別B)、組織の運営力強化に使用できること(種別A)など、申請のポイントが紹介されました。
発表団体一覧(発表内容・講評)

(事業名をクリックすると、各団体の成果報告資料が表示されます。)

発表団体名 事業名(発表資料) 講評者・講評内容
(特非)千葉県中途失聴者・難聴者協会 要約記者の講師養成プロジェクト 宮島委員
講評の内容
(特非)日本プロライフガード協会 九十九里ゴミゼロ2005 影山委員
講評の内容
(特非)こだま 高齢者・障害者宿泊おためし事業 宮島委員
講評の内容
森林塾かずさの森 房総の山体験ツアーの通年受け入れ体制整備 影山委員
講評の内容
まちネット・ふなばし 資源循環型まちづくりの構築を目指して
〜塚田地区・住民参加のリサイクル推進モデル事業〜
宮島委員
講評の内容
(特非)南房総文化財・戦跡保存活用フォーラム 南房総・平和フェスティバル〜子どもたちに平和を手渡そう!
「虹のかけ橋〜ウミホタルとアワビがむすぶ日米交流」
影山委員
講評の内容
(特非)新しい学校づくりをめざす’おーぷん・どあ’プロジェクト 知識の活かし方を学ぶフリースクール事業 宮島委員
講評の内容
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各団体への講評
○ 特定非営利活動法人 千葉県中途失聴者・難聴者協会 
要約筆記者の講師養成プロジェクトの報告にかかる講評

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>宮島委員より
中途失聴者にとってはイベントなどに出る際、力強いと感じている。
2点感じることがある。1点目は、手話通訳は制度が確立している。話している人と手話通訳の人がマッチしているが、筆記している人は離れているので、近くにいると良いのではないか。もう一点目は、筆記者は、話し手と即繋がる力量が必要だと思う。
要約筆記の技術をもつ人はどのくらいいるのか。
 
>(特非)千葉県中途失聴者・難聴者協会より回答
要約筆記等サークル加盟者は200名ちょっといる。
 
>宮島委員より
県内のカバーは200名では大変だと思う。皆さんの存在を県内でピーアールし、さまざまなイベントで要約筆記が行われるよう、ぜひ頑張っていただきたい。
 
○ 特定非営利活動法人 日本プロライフガード協会
九十九里ゴミゼロ2005の報告にかかる講評

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>影山委員より
大変良い活動である。県民の一人として千葉の海が安全できれいだということを全国にPRできたら良いと思う。
2つの点について質問したい。
1点目は、補助金を含めた100万円でリーフレットを作り、企業からの協賛金も募ったが、今後の資金獲得のための具体的な工夫についてどう考えているか。
2点目は、補助金により会員のモチベーションがあがり、会員も90名に増えたということだが、具体的にはどのような状況になっているのか。
 
>(特非)日本プロライフガードより回答
1点目について、今後もリーフレット裏面で協賛者を掲載する方法で協賛を募りたい。また、ポケット灰皿の提供など、ゴミをださないための物品提供について呼びかけたい。
2点目について、活動の中で参加者とコミュニケーションを取り、興味を持っていただいた方が会員になっている。
 
○ 特定非営利活動法人 こだま
高齢者・障害者宿泊おためし事業の報告にかかる講評

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>宮島委員より
古民家を残し、それをうまく活用しており、大変良い活動をされている。
高齢者・障害者のおためし宿泊は延べ人員何人位利用したのか。

>(特非)こだまより回答
1日10人としてデイサービスをはじめたが、月曜から金曜日まで毎日満杯であった。
お試し宿泊を利用した人は4人であり、それ以外を含めると5人の人が泊まった。月に泊まりは1人か2人である。介護保険制度をなるべく利用していただき、緊急のときに利用いただくようにしている。
 
>宮島委員より
それだけの活用があることを、ぜひとも報告で書いてほしい。今後の補助金・助成金を申請する意味でも、重要なことである。
また、報告書等の作成が大変ということだが、法人という組織でもあることから、事務能力のある方も参加された方が良いと感じる。
 
○ 森林塾かずさの森
  房総の山体験ツアーの通年受け入れ体制整備の報告にかかる講評

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>影山委員より
これからも、千葉の自然をたくさんの方に味わっていただく活動を続けていっていただきたい。
補助事業中で10回のツアーを行っているが、どのように工夫したのか。
いろいろなアイデアをお持ちのようなので、県との協働事業などに提案していったらよいのではないかと思う。
 
>森林塾かずさの森より回答
10回のツアーについては、参加者が野生に慣れていないので、そのレクチャーからはじめる。1日過ごすと楽しさの方が多くなる方が多い。千葉でこの様な場所があることにびっくりしていた。目指すはそこにある素材を大切に、あとは、地域の人の和やかな雰囲気をお届けできればそれでいいと思う。
 
>影山委員より
ぜひ、そういう活動が県民の方に伝わるようPRしていっていただきたい。
 
○ まちネット・ふなばし
  資源循環型町づくりの構築を目指して
  塚田地区・住民参加のリサイクル推進モデル事業の報告にかかる講評

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>宮島委員より
この事業はうまくやれば収益が上がるのではないか。
習志野市は市がやっており年間2千万円の収益を上げている。収益の分配などのメリットがあれば、自治会、子ども会に協力してもらうなど、より一層の収益や協力者が得られるだろう。ぜひとも頑張って活動していって頂きたい。
 
○ 特定非営利活動法人 南房総文化財・戦跡保存活用フォーラム
  南房総・平和フィステバル〜子どもたちに平和を手渡そう!
  「虹のかけ橋〜ウミホタルトとアワビがむすぶ日米交流」の報告にかかる講評

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>影山委員より
このような、地域を巻き込んだ活動が広がるとよいと思う。どのように地域を巻き込んでいったのか、その工夫を教えていただきたい。
 
>(特非)南房総文化財・戦跡保存活用フォーラムより
小さな顔の見える範囲を大切にしている。11地区コミュニティー委員会連絡協議会があり、それぞれのイベントで、それぞれの地区のコミュニティー委員会や公民館との協働を行っていった。たとえば、公民館が広報活動をやってくれるなど、一緒に工夫をしている。
 
>影山委員より
一つ一つのネットワークをつないでいくということが大事だということを発表から感じた。
 
○ NPO法人 新しい学校づくりをめざす
  ‘ お〜ぷん・どあ‘プロジェクト
  知識の活かし方を学ぶフリースクール事業の報告にかかる講評
 
(発表団体一覧に戻る)

>宮島委員より
フリースクールの考え方に感銘するが、大変と実感する。
池田小の事件、マナーの問題、学校の構造上の問題、学校そのものが嫌だという不登校の子の心理的問題、学校側は空教室ではなく、用途はいくらでもあるという言い方をしているなど、空き教室を借りることはいろんな理由があり難しい。
協働で公共の場所を使用する、ということを書いているが、むしろその方面に目を向けていかれた方が良いのではないかと感じる。収益を上げるのは大変だと思うが発展していかれるよう頑張ってほしい。

>NPO法人新しい学校づくりをめざす‘おーぷん・どあ’プロジェクトより
当団体の活動を御理解いただき感謝している。
しかし、このままでは事業を続けたいが持続はきないので、身近に空き教室があると県民の一人として有効利用したい。
公募や団体協働で借りるとか検討していただきたいと希望させて頂きたい。
委員長総評         

>渡辺審査委員長より    (委員長総評概要に戻る)

 今回発表された7団体は、短い時間ですばらしい発表をされ、よく理解できた。他の民間の助成金などの審査に関わっているが、千葉県でここのところ活動発表会などが開かれているせいか、千葉県の団体のプレゼンテーションはとても上手になり、関東一円のなかでも、審査に通る確率が高くなっているようでうれしく思っている。
 各団体の成果報告内容から、人材・資金・ネットワーク・組織運営・専門性・場の確保の6点から今後の活動・事業のポイントをまとめたい。 

 <今後の活動・事業のポイント>
   ●人材:専従者の確保をどうするか、会員をどう増やすか、ボランティアの参加をどう促すかがポイントになる。

  ●資金:行政だけでなく企業の協賛を得る、あるいは事業収入、会費のほかに助成金や寄付、補助金など総合的に考える必要がある。例 日本プロライフガード協会 企業協賛
  ●ネットワーク:千葉県中途失聴者・難聴者協会、まちネットふなばし、南房総文化財・戦跡保存活用フォーラムの発表でも大切との認識があったが、地域の課題を解決していくためには、地域における自治会、町内会、消防団等の地縁型組織との連携を組んでいくことが重要。NPOはテーマ型、横方向でフラットに繋がっている組織であり、地縁型の組織はどちらかというと補助金等を通して行政と縦に繋がっている。これらの関係を地域で活用しながら、しかるべき課題について行政に政策提言活動していく場合には、地元住民の理解を得るということが大きな課題となる。
  ●組織運営:アメリカなどでは、補助や助成が効果的に使われていくための実務支援を助成とあわせて行っているところも多い。例えば、助成先がデイサービスや介護移送等で悩んでいれば、助成元が福祉の専門家を雇用して団体に派遣したりする。今後の補助・助成を考える上で、お金だけではないテクニカルアシスタンス《実務支援》のようなことも、検討していく必要があると思っている。
   ●専門性:まちネットふなばしは、データに基づいた発表だった。このように、きちんとした確証のあるデータを示すと、行政にも理解を得やすい。政策提言型の場合は、特にデータや客観性が重要である。地縁型組織と協働を考える場合にも、事実=データを用いて説得して、一緒にやろうとするモチベーションを高めていくことが重要となる。専門性と対極にある能力として事務能力がある。この補助金で報告書を書いたり申請書を書いたりするのが大変だったという感想もあったが、この成果報告会での発表するのと同じように、どこからか資金を得ようとすると、何がしか形にして一定の範囲内で表現し説得する力が重要であるので、そういう意味での事務能力は自分たちで努力を続け、身につけていくしかない。
   ●場の確保:今回は、おーぷん・どあプロジェクトの発表で焦点となっていた。近頃は、地縁型組織や地元教育委員会との連携、特区や協働委託事業で、学校施設で行うというスポーツ系や言語教育などの例がある。これらの例では、教育委員会も最初は抵抗があっても、話し合っていく過程で関係作りが徐々に行われていった。これからの時代、学校側も、開かれた学校というものを模索してきているが、学校との連携においては、条例の解釈の仕方や地縁型組織の関係者を含め、継続して粘り強く話し合いを続けていく力が必要となる。

<平成18年度補助金申請のポイント>
  今回の報告は全体的には、非常に前向きな発表だった。発表内容をまとめると、「命の豊かさを育む」というテーマになるのではないか。これから2007年問題が発生し、団塊の世代が地域にどーんと帰ってくると、地域も、行政も、ごみや医療の問題等、幅広い分野で困ることが起きる。一方で、行政の縮小が言われており、NPOは、いろいろな分野でさまざまな主体のパートナーとして大きな存在となる。そこで、地域に帰ってきたシニアの培ってきたネットワークや知識など資源の活用を考えていただければと思う。

  また、南房総で活動している環境・歴史・文化で活動している団体がうまくネットワークを作っていけば、“南房総エコミュージアム”のような壮大なネットワークができる可能性がある。
  このように、いろいろな分野の団体がネットワークを作っていけば、人の広がりもでき、アイデアも広がって、全て前向きに動き出す。県も補助金を出しておしまいということではなく、このような報告会を開いているので、この成果報告会を新たな地域づくりの希望に向けて発展する契機としていただければと思う。このように事業をより発展させていくためには、地域で企業、行政、地縁組織などNPO以外の組織との連携が取れていないと地域に事業のプロセスや成果が浸透が難しい場合が多い。

  このため、平成18年度補助金の「種別B:事業発展への支援」では地域への定着・連携をより進めていく内容として、地域への浸透に光をあてた。また、今回の事業を発展させるためのきっかけとして活用することもできる。重層的、複眼的な考えを持って活動にチャレンジしてほしい。「種別A:組織基盤強化への支援」は、従来の立ち上げ支援からもう少し補助対象をしぼり、人材の育成、組織の資金調達に向けた広報力強化、専門家のアドバイスを得る等、組織基盤強化の取り組みに必要な費用を対象とした。人材育成を焦点としているので、自治体の制度としては画期的なものである。なお、補助金上限額は種別A20万円・種別B50万円と低くなったが、その分意欲的な提案が多ければ支援対象が広がることにもなるので、多くの団体にチャレンジしてもらいたい。

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